2009年10月8日木曜日

「ま、いっか。」〜ドイツ語講座スタート編〜

ミュンヘンに引っ越してからまる1年が発ちました。先月から旦那さんが育児休暇を取ってくれたものの9月は結婚式の準備と後片付けでほとんど時間がなかった。
で、10月に入りやっと落ち着いて来たのでドイツ語コースに通い始めたのです。

私の通う語学学校は近所にあり、徒歩10分強。ミュンヘン中央駅からも近く郊外から来る学生もいます。名前を:Prisma e. V. sprachschuleと言います。英語名:Prisma e. V. Language school.

立地柄、中東系と東欧系の学生が多いです。クラスで日本人は私一人。東洋系もなし。他のクラスには何人かいるようですが日本人は今期はいないようです。学費は1時間4ユーロ弱と、他の語学学校に比べてだいぶ安い。(他の学校は1時間10~25ユーロ)
私はドイツ人と結婚しているためビザの関係でIntegration courseという移民プログラムを受ける権利があり、同じ授業を1時間1ユーロという価格で合計600時間まで受ける事ができます。正規の学費との差額はドイツ政府がまかなってくれるというとてもありがたい制度です。
Integration courseについては後日改めて詳細を書きますね。

で、本日がクラスの初日でした。教室に入ってみると、満席になりつつあり、空いてる席は3席。特に何も考えずに入り口から一番近い席にとりあえず座りました。私のすぐ隣にはアフリカから来た40歳の女性。(仮名:ヘレン)お決まりの自己紹介を全員終え、「さて、教科書を開きましょう」と、先生。
ふと見るとヘレンが教科書を持って来ていないではないか。クラスの中でヘレンだけが教科書を持っていない。勿論、隣の私が自分の教科書をシェアしましょうかとオファー。
授業が始まるとヘレンは集中し始めました。先生の言う事に慎重に耳を傾けるものの、どうやら先生が教科書のどの部分を指して言っているのかついて行けてないよう。
一応、私も手に持ったシャーペンで、「ここだよ〜」といった感じで教科書をさしていたのですが、彼女は全く無視。

どんどん集中モードに入るヘレンが取った行動は・・・

・・・・

ずりずりと私の教科書を自分の方へ引き寄せて行ったのです。端から見ると彼女の教科書を私が横からのぞいている状態。

・・・・

えっと〜、それ、私の教科書なんですけど。

やきもきし始めた私は、どうやったら丁重に教科書を取り戻すかという事を考え始めました。
ヘレンは、教科書の下へと潜り込んだ自分のノートにメモをとる時になると、今度は教科書を私の方にどけてノートに集中するのです。そして私は彼女がどけた瞬間、自然な感じで教科書を自分の方に戻す。
で、また教科書を先生が読み上げるともぞもぞと私の方に寄って来て、またずりずりと教科書を自分の(ほぼ)目の前まで引き寄せる。

そして教科書にメモを書き込みそうで書き込まない彼女の鉛筆さばきが気になる事この上なし。
授業開始から2時間の間、ずっとこんな事の繰り返しをしているうちに心の中で、「おい〜、勝手に変なメモ書き込まないでくれよ〜・・(いらいら)」なーんて思うようになりました。

それから私のマイナスな妄想が暴走し始めたのは言うまでもありません。前半のクラスが終わって20分の休憩に入り、他のクラスメイトが勉強道具を置いて外に出て行くのに、ヘレンだけ教科書に釘付けで一向に席を立たないのです。
今思うとそんな訳ないんだけど(笑)、その時は、
「これで私が外に出て休憩から帰って来たらこの教科書が彼女の物になっているなんて事はないかな?教科書に名前を書いておけばよかったなぁ。」
「口論になった時には証拠のレシートが必要だな。はて、持って来たっけ?いや、持って来てないや」
「なんで依りにもよってこの席に座っちゃったんだろう。」

・・・なんて、1分もない間に色々な妄想が頭を駆け巡り、集中するヘレンの横で私も席を離れられないでいました。

で、どうにも不安なので彼女に、「せっかくの休み時間なんだからコーヒー飲みに行きましょう。」みたいな事をいって彼女を教室から追い出したのです。。。。教科書はどうしようかと思ったのですが、自分の行動がなんとなくケチに思え、とりあえず勉強道具一式は机の上に残したのです。

コーヒーに誘ったのに彼女とはぐれ、結局1人で外へ。
外の空気を吸って冷静さを取り戻した私は、自分の小さな被害妄想がどうにも滑稽に思え、1人で笑ってしまいました。
「てゆーか、10ユーロちょっとの教科書じゃん。なんでそんなケチな事を考えているんだ?彼女が私の教科書にメモを書き込もうがどうしようが、大した事じゃない。書かせればいいだけの話。アホか?!っつーの!!」と、自分自身を諭してみた。

教室に戻り席に着くや否や彼女がバナナチップを食べながら外から戻って来ました。授業がすぐ始まり、教科書を開くと相変わらず自分の目の前に引き寄せる彼女。どうやら近眼らしいと納得し、目のいい私は横からのぞいても特に問題ないし、ま、いっか。(笑)
極めつけは、バナナチップのかすをぺろぺろと舐め取ったその指で教科書のページをめくる。
素敵なお友達の印(指の後)を残してくれました。

ま、いっか。(笑)

明日は教科書持ってくるかな〜? (笑)

持ってこなくても・・、ま、いっか!(笑)

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